H1

株式会社双信様

コンテンツ

COMET
株式会社双信様

非接触で成形品を三次元測定、色のグラデーションで誤差の度合いが一目瞭然

私たちが触れている工業製品において、プラスチック部品はもはや欠かせないものになっています。それらを製造するための金型も同じくらい産業界では大切な存在です。
なかでも双信は超精密プラスチック部品の金型製造で評価を得て、カメラやAV機器、医療機器、一般家電や産業機械など、金型を必要とするあらゆる分野に携わってきました。

単に金型を製造して納品するだけでなく、自社所有の成形機によりその場で成形して測定し、製品保証まで一貫したサービスを提供できる力が評価されています。金型製造から成形品までの各工程で精密な測定も実施し、他社と比べて工程を早く進められるのが特長です。

産業界で日々高まる精度へのニーズに対し、成形品測定の効率化を実現するために選ばれたのが東京貿易テクノシステムの非接触3次元測定機COMET5のビジュアル化機能です。測定物の表面形状を捉えて三次元座標値を持った高密度大量点群データとして出力するシステムが双信のノウハウと技術力で活用され、お客様の要望に沿った正確な測定と判断を可能にしています。

双信では金型の測定や加工方法について、同業者やお取引先から「どうしたらいいか」と相談されることも多々あるとのこと。それは創業以来、現場を熟知している社員の知識や技術、きめ細やかなフォローが積み重ねてきた長年の信頼があるからでしょう。

日本の工業製品を支える双信の金型製造に非接触3次元測定機COMET5がどのように役立っているのか、お話をお聞きしました。

■松浦理夫さん
営業部第2営業 兼務 資材調達部部長。技術者として金型製造の現場を経験しながら、会社の業績を伸ばす新規開拓にも積極的に関わり、現在は事業全般を司るマネジメントに携わっている。

■増田隆之さん(左)/塩津尚子さん(右)

株式会社双信様

金型の開発・製造においてCOMET5を使って測定を行っている。対象の構造や形状に合わせて測定方法を考え、お客様のニーズに応えている。

お客様の「困った」に応えて業績を伸ばしてきた

金型製作について、双信が他社と違うのはどんなところですか。

松浦理夫さん(以下、松浦):弊社では、納品した金型で成形した成形品に不具合が見つかったときは引き取って解決することも請け負っています。成形品で設計通りの寸法が出ないのであれば、金型にさかのぼって精査し、修正して再納品する。その正確性を担保するのが測定の精度です。

コスト(費用・時間)というと、直接利益を生む金型製造のみが注目され、直接利益を生まない測定という工程が抜け落ちていることがあります。しかし実際は、仕様書に合致する形が実現しているかどうか、納品までの検査と補正に膨大なコストがかかっています。

測定自体はお客様でもできるかもしれませんが、私たちは適切なツールを選び、迅速かつ正確に測定して問題を見つけ、現場の金型加工の高い技術力で解決する。そこまでを1つのパッケージとして提供している自負があります。お客様の時間を使って同じことを行うより、私たちに任せてもらったほうがより早く解決できる。だからこそ長年にわたって信頼いただき、精度が高い成形品を量産できる金型製造企業として大きな案件をいただけるようになりました。

成形品測定では今までどんな問題があったのでしょうか。

増田隆之さん(以下、増田):弊社には接触型3次元測定機がもともとあるのですが、それは測定機の端子を測定物に当てたときの座標位置しか出てきません。測定するときは「この辺りを調べたほうがいいかもしれない」と推測して測定ポイントを決めますが、考えてもいなかった箇所に不具合の原因があった場合は気がつかず、うまく問題解決できない可能性があります。

以前は、現場で流れて来るのは2次元の紙図面だけだったので、そこから測定すべき場所を推測して測定していました。例えば、スムーズに動作しないという問題であれば、ここに原因がありそうだと見当をつけて接触型測定機でその部分を測定するのです。最近は3次元情報が得られるようになりましたが、推測してポイントの見当をつけて測定する工程はあまり変わりませんでした。

それに繊細な部品だと、接触型測定では測定機が触れた圧力で成形品を動かしてしまうときがあります。ミクロン単位で測定するのでほんの少しの接触が測定結果に影響を及ぼしてしまう点が問題でした。

COMET5を導入しようと思ったのは、非接触型だったからでしょうか。

松浦:COMET5の導入を決めたのは、お客様からの声がきっかけです。工場見学に来られたときに、ある複雑な形状の成形品の測定で困っているという話をされました。形状が少ないシンプルな成形品であれば数カ所の測定ですむこともありますが、形状が多い成形品ほど測定する箇所が増えます。そのとき見せられた部品は手のひらに乗るほどのサイズでしたが、測定箇所は数千あるとのことでした。

この話を打ち明けられたとき、COMET5を思い出しました。すでに見本市や展示会で見聞きして「非接触型の全体像を測定ができる機械がある」と存在は知っていたからです。実は取引先の大手精密機器メーカーも導入していると聞いて、たしかに高価ではありますが弊社も使ってみる価値がありそうだと検討を始めました。

株式会社双信様

前は同じような測定機があっても精度が低く費用対効果が望めないと考えたときもありました。また、どんなに便利な測定機があったとしても、お客様がその測定機を信用しなければ測定データを提出しても意味がなくなってしまいます。しかし、精密さに定評のある大手メーカーがCOMET5を導入しており、その大手メーカーにヒアリングをした結果、費用対効果があると判断して弊社でも2010年4月にCOMET5を導入しました。

色のグラデーションで一目瞭然、情報共有が簡単

小さくても形状が複雑だと、測定が大変なんですね。
塩津尚子さん(以下、塩津):扱う金型の大きさや形状はさまざまです。複雑なのは鏡筒のような筒状のものですね。たとえばコンパクトデジタルカメラなどは電源を入れるとレンズがせり出すタイプがありますが、あれも細かな部品が正確に噛み合って初めて滑らかに出てくる構造です。メーカーから求められる精度が非常に高く、弊社でも複雑な測定を要する部品の一つです。

 

株式会社双信様

増田:形状が多い成形品のイニシャル全寸法測定の場合、従来の方法では何人かで手分けしても数日はかかっていました。しかし測定機器の特性に合わせて測定箇所を分け、一部はCOMET5測定データの確認のみでOKとしてからは測定箇所をかなり減らすことができています。これは、お客様がCOMET5測定データを信用していただいているからこそ、成し得ているのだと思います。

COMET5が一番活躍しているのはどんなシーンですか。

塩津:やはり成形品のイニシャルの測定ですね。最初に金型を作ったときは、成形品がどのように変形しているかわからない状態です。そこで「出来上がりをまず見ましょう」という場面でCOMET5をよく使っています。測定エリアに成形品を固定して光を当て、さまざまな角度から撮影して測定していきます。成形品を複数個測定する場合、接触型測定では設置が同一になるように気を遣いますが、非接触型では成形品の固定さえしっかりしておけばいいので楽です。

撮影したすべての画像をソフトで合わせると、点群データから1立体を構成してビジュアル化するので全体像がわかり、色の差によって3Dモデル(3次元情報)と点群データとの比較が可能になります。3Dモデルとの誤差が大きいほど濃い色で表示されるように設定しておけば、濃い部分は何か問題が生じている箇所だとわかります。これによって許容範囲が広い一般公差のチェックは数値ではなくビジュアルで判断できるようになりました。

これまでは、数値がずらずら並んだ測定結果の表と表数値から作成したグラフを見ながら成形品の状態把握をしていました。今は、変形の度合いや異形状、加工ミスの疑いなどが色のグラデーション表示ですぐにわかり、お客様や設計者、技術者とも「何を修正すべきか」をその場で共有できます。

ある一面においても均一な平面ではなく、ねじれや傾きが生じています。こういったねじれや傾きは少数のポイントだけ測る接触型測定ではわかりにくいことでした。今はCOMET5のおかげで各面全体を正確に把握することで適切な修正が施せるようになりました。イニシャルの段階で大体の傾向が掴めるので、後工程の短縮化にもつながっています。

いくつかの精密機器メーカーご担当者の中には、測定を弊社に任せつつ、成形品のイニシャルのCOMET測定データだけは見たいという方もいます。見るだけで成形品の成形状態がわかるので、今後の製造スケジュールや事業計画にも生かしているのだと思います。

測定後の微妙な修正は、高い技術力で対応しているのですね。

松浦:はい、高性能な測定機を入れただけでなく、その結果を踏まえて動ける技術があって今の評価につながっていると考えています。

ずいぶん昔の話ですが、金型だけ納入していたときお客様から水漏れのクレームが届いたことがあります。私たちが携わっていない成形過程に進んでからの問題でしたが、このようなことが発生しないように対応したいと社長に直談判し、成形機を入れて自社で検証できるようにしました。測定についても同じように「金型を測定しているならこれを測ってほしい」というお客様の要望があって「やってみよう」とチャレンジを始めました。技術者として「できない」とは言いたくないんです。COMET5導入はその一環です。

これまでもお客様がヒントをくださり、応えることで弊社の技術と実績を伸ばしてきました。最新ツールを使いこなす力をつけるのと同時に、しっかり金型に反映させる技術も伸ばし続けていかなければと思います。

株式会社双信様

株式会社双信様

1988年設立。超精密プラスチック金型の開発・設計・製造・販売を行い、現在はカメラ部品、医療機器、生活用品、食品衛生、一般家電、産業機械などあらゆる分野を手がける。小型化・精密化が進むなか、顧客ニーズに応える加工の技術力と長年にわたる現場の知識が業界でも高評価を得てきた。さらなる品質向上をめざし、2000年に完成した新工場および和歌山双信では業界トップクラスの最新鋭設備が稼働中。